遊びながら運動できることを訴求したポケモンGO

ポケモンGOの人気を支えたシニア世代

未曾有の高齢化社会を迎えた日本では、シニア世代を対象としたシニアマーケティングが活発化しています。
シニアマーケティングを拡大するためには、シニア向けに使いやすいWEBサイトやアプリを提供し、デジタルコミュニケーションを強化することによって、オンライン上での広告や情報提供をスムーズにすることが考えらます。
また、シニア向けの特定の製品やサービスを開発して、それに対する需要を引き出すためのマーケティング戦略を展開するのもひとつのアイディアです。

人口的にも大きな割合を占めるシニア世代をターゲットとしたマーケティング事例の中でも、特に成功を収めた事例として有名なのが「ポケモンGO」です。
ポケモンGOというのは、ポケモンブランドを管理している株式会社ポケモンと任天堂、そして米国のゲーム会社ナイアンティックが共同で企画したスマートフォン向けゲームのことです。
AR(拡張現実)技術が駆使されたゲームでは、眼の前に広がる風景にモニターを通して映し出されたポケモンを簡単な操作で捕獲することができ、配信されて以来またたくまにブームが巻き起こりました。
配信されたばかりのころは10〜20代の若者を中心にしてブームが広がったポケモンGOも、現在では50代以上の利用率が非常に高くなっています。

ポケモンGOはどうやって成功させたのか

ポケモンGOは、スマホの位置情報を利用して遊ぶゲームです。
外を歩き回ることによって積極的にゲームで遊べるため、50〜70代のシニア世代が歩き回って運動をしながら、しかも楽しく遊べるゲームとしてポケモンGOを遊び始めたのです。
体験イベントなども活発に開催され、人気が広がっていきました。
例えば、新宿御苑を半日散策してポケモンGOを体験利用するウォーキングイベントでは、アプリ未体験者がポケモンGOの楽しさを満喫することができました。
イベントの際に、現場で問題点が出た「Googleアカウントの取得方法」などについても考慮し、「スマホ初心者でもわかる!『ポケモン GO』入門ガイド」が作成されました。

ポケモンGOがシニア世代で成功した理由としては、徹底的なリサーチが挙げられます。
シニアといってもライフスタイルや年齢、社会的ステータスは多様ですから、細かいペルソナ設定を立てることが大切です。
60歳と79歳の女性では考え方も大きく異なりますし、スマホを操る技能にも違いが出てくるなど、細かい意味合いを把握した上で、できるだけ万人向けの設定をしている点がポケモンGOの成功の秘訣と言えるのではないかと思います。
高齢者をいくつもの層に分類し、きめの細かい提案を行っていくことがシニア向けビジネスでは大切なのでしょう。