園芸療法で心身を健康に

園芸療法について

園芸療法というのは、アロマセラピーや森林浴などと同様に、植物の力によって癒しの効果を得る療法のことです。
植物を栽培して成果を収穫するというシンプルな作業の中には、さまざまな効能が秘められています。
植物が毎日成長していくのを見ることによって得られる喜びや、将来の収穫を楽しみに待つ期待の気持ちなどによって、生きがいづくりができるのが園芸療法の大きなメリットです。

園芸を楽しむためには土を耕したり、体をかがめて苗を植えたりといった作業をしなければなりませんので、筋力の低下を予防して運動不足を解消する効果も期待できます。
外の空気にさらされて、土をじかに触り、匂いを嗅ぐといった単純なことも園芸をしなければ味わえないささやかな喜びです。

もうひとつ、園芸療法で大切なことは、仲間と共同で作業することによってコミュニケーションを保ち、社会性を維持できることです。
どうしても引きこもりがちな高齢者でも、園芸を率先してやることによって他者との関わりを保つことができますので、一人きりで孤立しなくても済みます。

さまざまな分野で活躍する園芸療法

園芸療法は介護の場で大活躍すると同時に、発達・教育分野や身体障害分野でも用いられています。
園芸では五感のすべてが刺激されますので、ストレスを和らげて気持ちを落ち着けることができます。

園芸に打ち込むことによって土の香りや感触を楽しめるだけではなくて、鳥のさえずりやそよ風のざわめきなどといった音に親しむこともできます。
家の中に引き込んでいるだけでは味わえない感覚を五感で十分に感じ取ることによって、豊かな心を育むことができます。

園芸を楽しむための手順

園芸を楽しむためには、まず必要なグッズを揃えることが大切です。
プランターや培養土の他に、スコップやじょうろ、元肥、鉢底石、そして植えたい植物の苗か種は最低限必要です。

底に穴が開いているプランターの場合には、鉢底ネットを敷いてから元肥を混ぜた培養土を入れていきます。
この時、出来るだけそれを使って培養土を入れるのがポイントです。
土に直接触れることによって、鈍っていた感覚に刺激が与えられます。

土を入れ終わったらスコップで土を全体に慣らし、苗か種を植えるための穴を開けます。
適切な大きさの穴を開けたら、苗の場合には根にできるだけ触らないようにして、丁寧に植えます。
植え終わったら土を軽く押さえて、じょうろで水やりをします。

種の場合には、土にまいてから発芽するまでの日数が植物の種類によってかなり異なりますので、種が入っていた袋に書いてある説明書きをよく読んで、発芽するのを待ちます。
苗がたくさん入ってきたら、適宜間引きをして、一本一本の苗が育ちやすい環境を作ってあげます。