高齢者が無理なく続けられる運動

高齢者にとって運動が大事な理由

運動をすることによって、身体機能を維持・改善するだけでなく、記憶・思考・理解といった認知機能の低下を防ぎ、ストレスが緩和されます。
年を重ねるごとに基礎体力や筋力、免疫力といった機能は低下する一方です。運動を行うことで今元気に活動してくれている機能を維持し、さまざまな病気や転倒、ケガを防ぎます。

運動は体だけでなく、脳にも刺激を与えてくれるので、認知症やもの忘れの予防にも有効だといわれています。
とはいえ、ある一定の期間だけ運動をしても意味がありません。大事なのは短時間でも継続して行うことです。無理のない程度で毎日できるトレーニングを始めましょう。

高齢者向けの簡単な運動

施設やレクリエーションで実際に行われている運動をいくつか紹介します。
全身を使う運動をする場合に使うものは新聞紙のみ。誰かに新聞紙を広げてもらい、運動をする人は新聞に向かってキックやパンチをして破ります。
全身を使って運動できるのはもちろん、思い切り破れるのでストレスを発散できるのがポイントです。

体幹を鍛える方法として挙げられるのは、紙と風船を使った方法です。
さまざまな大小の数字を書いた紙を得点としてみなし、風船をキックしながらその得点の紙に重なるよう乗せていきます。
足で蹴るので下半身が鍛えられるだけでなく、得点を狙うことでバランス感覚を鍛えられるのが特徴です。

下肢機能維持で最適な動きは、足を使ったじゃんけんです。幼い頃によく遊んだという方も多いでしょう。
グーを出す場合は足を揃え、パーを出す際は左右に足を開きます。チョキの場合は前後に足を開くというように、どのポーズも下半身を動かすため、筋力低下が予防できる運動です。

もっと体を動かしたい方は

運動をする前に是非ともやっておきたいことは、腕や足を伸ばし、足首や手首の関節を回すストレッチです。
筋肉の柔軟性を高められるだけでなく、関節の動きが固くなるのを防いでくれます。

ストレッチをして体をある程度ほぐした後は、ウォーキングを始めてみましょう。
普通の散歩では物足りないという方は、水中ウォーキングを行うのもおすすめです。

水中ウォーキングとはその名の通り、プールの中でゆっくりと歩く運動のこと。全身の血流に働きかけ、心肺機能を向上する効果が見込めます。
ある程度の負荷がかかり体力を使うため、食欲が増加したりやる気がみなぎったりと、心身ともに良い影響が期待できます。